電子カルテ導入から1か月経過。運用してみてのメリット・デメリット

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病院勤務して10年超。わが病院でも、とうとう電子カルテが導入されることとなりました。
電子カルテを導入する話が出てから、数年は月日が過ぎて行っていたように思います。
このまま、電子カルテ化はないのかなーと思っていましたが、忘れた頃に具体化が進んでいき、導入にまで至りました。
導入までは業者の選定や様々なミーティングが開催されていたようですが、下っ端の私は、直接立ち上げチームに入っているわけではないので、具体的にその辺の話はよく分かりません。
ただ、直接関わっていなくても大変そうな雰囲気はひしひしと伝わってきていましたw
現場の理学療法士として、1か月電子カルテを触ってみて気づいた点を簡単にまとめていこうと思います。
設備投資の金額などは具体的にはわからないため、単純に触ってみての感想であり、かなり偏った意見になることはご了承ください。

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電子カルテ導入のメリット

1.データ管理がスムース

電子化のメリットは何といってもデータの管理がスムースにできるということだと思います。
紙ベースだと数値のグラフ化や統計は、まずカルテから数値を拾い上げ、パソコン上に手打ちして、視覚化するということが必要になります。
これが、日々電子カルテに入力することで簡単に視覚化できます。
これは学会などでデータを使いたいときにかなりの時短につながることが予測できます。

2.パソコンのある場所からどこでも情報がみれる

コロナ禍において、うちの職場でも極力人の行き来を減らしています。
今まではカルテを見るためにはその病棟まで移動する必要がありましたが、電子カルテ導入により、電子カルテ用のパソコンが設置されている場所であれば、閲覧可能になりました。
次の患者までのほんのわずかな空き時間も、カルテの閲覧や記入に時間をさけるようになり、より効率的に時間が使えるようになります。
いままでは、時間があまりないからこのまま待っていようかな~って感じで数分の時間を無駄にしていたように感じます。

3.職員間の情報伝達がより行いやすくなる

どの業種にとっても情報伝達を素早く行うことは非常に重要なことだと思います。
職員同士の伝言のやり取りも電子カルテ内のメッセージでタイムリーに情報が伝えられるようになりました。
今まで個別のアドレスは持っていなく、PHSも一部の役職しかもっていないため、情報伝達には直接本人を探したり、いそうなところの部署に電話にかけたりとかなりの手間でした。
ドクターとのやり取りも、緊急性のないことは電子カルテ上でやり取りできるのは便利です。
電話するのは躊躇するし、直接探すのはかなり面倒なので。。。

4.カルテが見やすい

これはすべての分野において見やすいかと言われると、見にくくなってしまっている部分もありますが。。。詳細はデメリットで説明します。
紙カルテだと当然記載はすべて手書きになります。字がきれいな方のカルテは非常に見やすく、問題ないのですが、中には難解な文字を書く方もいて、解読するのに少々時間がかかったりもします。
重要でない部分であれば問題ないのですが、ドクターからの指示が読めないとなると問題です。
ただ、読めないということを直接言うのは、なかなか勇気のいることで、実際は複数人で相談しながら解読していますw
こういう時間も省略できて、違う仕事に時間を使えるので、効率が上がります。

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電子カルテ導入のデメリット

1.個人情報流失

何といっても一番大きなリスクは個人情報の流失です。
様々なメリットがある一方、データを流出してしまうのは非常に怖いことです。
国家の機密情報がアナログベースの保管であるように安全性に関してはアナログに勝るものはありません。
様々な対策を講じるとともに、使うスタッフに対する教育も必要になってきます。
100人中99人が理解していても1人が理解できていないと、大事故につながります。
この辺は感染対策と同じですよね。

2.操作の煩雑さ

操作方法に関しては、数回のデモンストレーションを行いましたが、全員がその場でデモが行えるわけではないので、トップからだんだんと下に教育をしていくわけです。
病院の規模にもよりますが、電子カルテを導入するくらいなので、従業員はそこそこいるものと思います。
1回で全員に指導ができれば楽ですが、そんなことは難しいので、何回も何回も行う必要があります。
また、その際に明確な基準や指導方法がなければ、伝言ゲームのように伝える内容が変わったり、教えるべき内容に漏れがあったりと不具合が生じてきます。
全員が同レベルまで使いこなすには運用し始めてかなりの時間がかかります。
特に働く年齢層も様々ですので、若者よりも高齢の方のほうが、時間がかかったりするのは容易に想像がつきます。

3.スケジュールの一覧性・操作性の低さ

一日のスケジュールを見るとき、パソコン上では見れる範囲が限定されていますので、すべてを見るためにはスクロールする必要が出てきます。
パッと見たときに一瞬でここの時間が空いているということを判断することは難しいように感じます。
ある程度の対策は可能ですが、エクセルほどの自由度はないため、どうしてもエクセルでスケジュールを組む方法に比べて、不便になることは否めません。
また、スケジュールの変更などもエクセルだと簡単に可能ですが、電子カルテ上であればやや時間がかかります。
自由度の高さがエクセルのほうが勝っているからだと思われます。
そのため、セラピストのスケジューリングは今のところ、エクセルで手作業です。
そのうち、電子カルテに移行するみたいですが、この辺はやや不便になりそうです。

4.書類のスキャンが必要

基本的には電子カルテ内でほとんどのことができますが、同意書などの書類へのサインが必要になってきます。
このサインに関しては、紙に印刷して手書きで行っていただく必要が出てきます。
そのため、印刷してサインをしてもらい、その書類をスキャンして電子カルテ内に取り込むという手順が必要になってきます。
タブレット上で直接サインしてもらうということも可能かもしれませんが、うちの職場はノートパソコンかデスクトップパソコン中心で、タブレットはありません。
そのため、上記の方法で行っています。
(パソコンについての知識はそんなに高くないため、もしかしたら何か方法があるかもしれませんが)

5.医療保険と介護保険の両方はカバーできていない

法人内に医療保険と介護保険が混在しているため、医療保険は電子カルテ、介護保険は紙カルテになっています。
ただ、介護保険であってもドクターからの処方や診察などは電子カルテでの管理となっています。
ですので、介護保険分野においては電子カルテと紙カルテが混在していることになります。
それなら、リハビリ関係の書類も電子カルテ化してくれたらいいのにと感じてしまいますが、そう簡単なことでもないようです。
そもそも医療保険と介護保険は全く別物ですので、なかなかどちらもカバーできるソフトはないのではないかという話です。
知っている方がいたら教えてほしいくらいです。

まとめ

メリット
1.データ管理がスムース
2.パソコンのある場所からどこでも情報がみれる
3.職員間の情報伝達がより行いやすくなる

デメリット
1.個人情報流失
2.操作の煩雑さ
3.スケジュールの一覧性・操作性の低さ
4.書類のスキャンが必要
5.医療保険と介護保険の両方はカバーできていない

1か月運用してみて気づいた点をまとめました。
今後も気づいたことがあれば更新していきたいと考えています。

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